通訳者Mのブログ

通訳者の毎日をシェアする通訳ブログです

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

元の音声との妥当な距離

たぶん渋滞が好きな人はいないと思います。感覚的に進んでは止まって、進んでは止まって、が人間の身体にストレスなんだと個人的には思っています。ただ同じ渋滞で交通量が多くて望み通りの速さで走れなくても、前方車両との間隔が適度にあってゆっくりの流…

同時通訳はある程度のスピード感が必要かも

通訳学校時代は、あまり速い通訳はよろしくない、とずっと言われてきました。 確かにTPOを選んでスピードは変えないといけないと思います。 実務的な会議での話すスピードと、トップ会談でのスピードは当然違ってくると思います。 確かに逐次通訳においては…

不安でも声にのせずに、100%通訳する

通訳者は資料がないととにかく焦ります。拠り所にするものがないと、話が理解出来ないんじゃないか、ついていけないんじゃないか、と思うからです。資料がない時は、ベストエフォートでお願いします、ということを言われたりします。 通訳学校で言えば、次の…

Lost in translation

われわれ通訳者の英語が不自然に聞こえたり、lost in translationと言われるのは、言っている内容と、口調もしくはトーンが合わないからではないか、と。それはわからないです。。。と自信なさげに答えている人の通訳を、I have no knowledge about thatとキ…

順調な時ほど慎重に

緊張の午前案件が終わって久しぶりの休息時間ができたので、たまっている読書に没頭している午後です。どの仕事でも年数重ねるうちに成功もあれば失敗もたくさんありますよね。通訳も同じ。失敗した時はちゃんと反省するのである意味怖くないのですが、上手…

おかしな英語に気づく

日本語から英語への通訳をする時に、どうしても日本語に引きずられがちです。 例えば同時通訳で、 「当社としては」と聞こえてきた。 「としては」はasだ! As our company... 通訳やっているとこういうおかしな英語にウッカリしてしまって、 かつ、振り返る…

真剣勝負は、集中しないと始まらない

通訳者としての毎日は、ルーティーン的なことは一度もないけど、いつもの仕事、っていうのはある。毎月なり毎週なり。同じクライアントだったり。そういうところでは緊張はしない。だから緊張するしないは問題にならない。そうではない緊張する案件も当然あ…

能動的ボキャブラリーの増やし方

単語を聞いて理解できる「受動的ボキャブラリー」と自ら使いこなすことのできる「能動的ボキャブラリー」があるけれど、通訳をする上ではどちらも重要。 聞いて理解出来なければ英語から日本語への通訳で困ることがあるのだから、知らない単語はゼロに近くす…

日本語から英語の同時通訳の処理の仕方

同時通訳はスピードとコンパクトさ、そして後手にまわらないことが大事です。そしてそれは結構ボクシングにも似ていると以前書きました。 leogirl.hatenablog.jp 今回はコンパクトさについて。 同時通訳でコンパクト、というのは文章の始まりから句点まで(…

意図がつかめない場合は、聞いたままを忠実に訳す

通訳をやっていると自分の理解を越えて議論が進むことがある。それはそれで仕方のないこともある。 準備の段階で分からなくて、当日通訳をしながら、資料のなかで伝えたかったことが初めて分かるときもある。 でも通訳し始めても一向に分からない時。そんな…

リプロダクションとシャドーイングでスピーキング力をあげる

ー2022/4/9更新しました これホントに今期出来んの?Do you really think you can do this in the fiscal year? 日本語を見た、聞いた瞬間に背景を知らずとも気持ちが荒めに出ているのを感じると思います。通訳しない人もそれは感じる。そしたらそれを訳に反…

会談

会談のスピーカーだけ分かってトピックが分からないことがあります。何も分からないから何もしないのではなくて何も分からないから全部調べます。通訳者のなかには要領のいい方もいて、山をかけたりメリハリつけて用意するやり方もあります。わたしは心配性…

通訳のメモ取りについて

同時通訳であれば通常パートナーが隣にいます。そして数字や文脈のない年号や固有名詞など、メモをしあうというのが同時通訳業の慣習にはなっています。メモ出しの練習をする通訳学校もあるみたいです。が、個人的にはメモが出してもらえなくても同時通訳を…

同時通訳でも極力分かりやすい文章を作る

最近思うのは、日英同時通訳をしていても極力、SV...という順番で文章を作ることの大事さ。 遅れずに同時通訳するには受動態を使うことも効果的な手段の一つですが、それで伝わるだろう、と思ってはいけなくて。 特にアングロサクソン国家以外の方々が参加者…

上手い通訳をするには

全て定量化出来たら手も打ちやすくなるのかもしれないけど、言葉ってできない、と私はおもう。 他には愛とか。 悔しさとか。 感情が伴うものはみんな計れない。計れるとみなして計ることも出来なくないと思う。実際そう謳っている人も世の中にはいる。 例え…

出来ないから、続けたい

毎日通訳していると当然出来ない部分、自分の気に入らない通訳、どんどん出てくる。 一瞬はやはりやるせなかったり、悔しい。 でも同時に、出来ないから続けたいのであって、毎回美しい通訳ができていたら、『こんなもんか』ともう、やめていると思う。 だか…

同時通訳

この単語知ってる 個人的にはその感覚がとても危ないと思う。 知っている、とすぐに口から出てくる、は違う。 結局同時通訳は反射神経と耳の集中がどれだけ機能するかにかかってる。反射神経が機能しないとスピーカーは止まらないからどんどん遅れる。聞こえ…

世界の平和のために

ーThe Economist March 26th 2022 1年半ほど前に会議でお見かけしたのが最後だったと思います。女性でありながら国の代表になり、世界の先頭にたって活躍する。なんてカッコいいんだろうと当時思いました。 私には真似の出来ないことですが、少しでも世界が…

英語のままの方が伝わることもある

ルー大柴みたいな日本語と英語がチャランポラン通訳では困るけど、分からないときはそのまま英語で言う、はアリです。 これはいろんな通訳の場面を見てきて、かつ、自分も通訳していて感じることです。中途半端に日本語にしてしまうと、その日本語がずれてい…