前回の記事の続きで年明けに読んだ教育にまつわる書籍もう一冊の紹介です。
タイトルを見るだけでこの本が言いたいことが分かります。
『教育がもたらす新たな階級化社会』
そう思うと教育というものは恐ろしいと思いますね。
よく新疆ウイグル自治区のニュースでre-education campと出てくるのを思い出しましたが、教育如何で人間、考え方や見方が作られるということなんですよね。
しかしそもそもその教育によって培った能力をもとに階級が決まる能力主義の矛盾について指摘し(世界では必ずしも能力のみで大学入学していない人も多い為)、エリート層が内向的になっていることが、現代社会の分断を生み出しているというストーリー展開でした。
本を読むということは、必ずしも自分の考え方に合致しない意見や見解に耳を傾けて理解する行為だと思います。そうでないといけないと思います。偏った見方になってしまうし、それこそ世界が狭くなって内向的になってしまいます。
通訳をするということも同様で、自分が理解している見方、世界とは相反する主張をする方を理解して、その人の代わりに話さないといけない。そうなると「理解力」というのか、「同情力」のようなものが通訳をする上では鍵になると思うのです。
何言ってるんだ?という思いでは上手くスピーカーの思いは伝わらない。
そういった意味で通訳者には、柔軟な、郷に入っては郷に従え、のような、長い物には巻かれろ精神に切り替えられるマインドが必要だと思うのです。
そのマインドを鍛えるには、読書が手っ取り早くベストだと思います。