通訳者Mのブログ

通訳者の毎日をシェアする通訳ブログです

役に立つ通訳が出来ているか

役にたってる通訳ってどんなだろう

いつも案件が終わってから思う

自分がした通訳って聞いている人に分かる通訳だったのかな?

聞こえてきた英語を、日本語を、変換し続けて会議が無事終了したからって、役に立てたかどうかは別問題

 

大抵お客様がわざわざフィードバックをくださる時は、自分が理解して通訳していたとき。

通訳をやったことがない方は、この文章を読んで驚愕するかもしれない。『えっ、分からずに通訳することあるんですか』と。

昔はよくあった。よく分からずに通訳して自分はわかっていなくてもお客様だけ分かってくれて、感動したこと。内容分からなくても、英語(日本語)の構文が分かって忠実に訳せば伝わるんだ、と。駆け出し一年目だったらまだいいと思う。

 

内容が分からずに通訳を続けていると、いずれ会話が噛み合ってないことに気づかず、かつ意図を汲んで訳すことも無理。その場しのぎにはなっても、『またお願いします』にはならない。

 

投資家とアナリスト、企業との間で数字をはじきだしながら進む会議は、まず数字を間違えたらアウトだし、何を何で割って、何年対比か等々落とせない要素満載ではあるんだけど、お客様の声をベースに考えると、全部訳していれば『またお願い』になるわけではない。全部訳さなくてもいい、とはまた違う。一語も漏らさなくても、評価されないこともあるということ。

 

当本人にならなければ、知り得ない気持ちや意図などたくさんあると思うけれど、話す相手がカジュアルにいえば『どんな感じ』で話しているかで、聞こえてくる言葉も大きく変わるもの。

 

相手の意図まで訳して初めて正確なんじゃないか。

やっぱりそう思うんですよね。