会談のスピーカーだけ分かってトピックが分からないことがあります。
何も分からないから何もしないのではなくて
何も分からないから全部調べます。
通訳者のなかには要領のいい方もいて、山をかけたりメリハリつけて用意するやり方もあります。
わたしは心配性なので調べなかったところばかり話題に上ったらどうするの?という思いが消えず、全部調べることになり、まあ大変なのですが、その代わり自信をもって仕事に臨めます。
通訳学校の受講生の頃から、ある政治案件に入るようになるために必死に通訳訓練させられたことがあります。そのスピーカーの声を毎日聞いて、最寄り駅から家までぶつぶつ通訳し、うちでもスクールでもその人の声を聞かない日はありませんでした。通訳業を始めてその案件に実際に入らせて頂きました。そこでは、スピーカーのはるか遠くのブースから通訳をしているため誰が通訳しているのか御本人は知らないですし、通訳されていることすら忘れてらっしゃる時がほとんどだったと思います。
今日1メートルもないすぐそこで、こちらをご覧になってお話する姿に立ち会えました。いろんなことが思い出されて勝手に、感無量でした。
通訳やっているとそういう不思議な日があります。