通訳者Mのブログ

通訳者の毎日をシェアする通訳ブログです

元の音声との妥当な距離

たぶん渋滞が好きな人はいないと思います。感覚的に進んでは止まって、進んでは止まって、が人間の身体にストレスなんだと個人的には思っています。

ただ同じ渋滞で交通量が多くて望み通りの速さで走れなくても、前方車両との間隔が適度にあってゆっくりの流れであればストレス度合いは減ると思います。

同時通訳も同じことだと思ってます。
止まっては喋りだし、喋りだしたかと思うと止まって、、の繰り返しは聞いている人のストレスだろうなとおもうのです。それで意味が通じていればまだよいのですが、元の音声においていかれるのが怖くて近づきすぎると、つまり、自分の作る文章全体の構成を鑑みずに聞こえたそばから通訳してしまうと、文章全体の調和を通訳者自身が考える前にオーディエンスの耳に届いてしまうんです。

そういうマインドセットでやった通訳は聞いていて分かりにくいです。同時通訳風の日本語や英語で、通訳を聞きなれないクライアントは、こういうものかなあ。で終わりですが、特に通訳を使いなれているクライアントの場合、この通訳者はちょっと、、。となってしまうんだと思います。


この元の音声との間合い、距離感が難しいところですよね。近づきすぎると自分の首を閉めることになりますし、遅れれば遅れるだけ自分の脳に溜めておく情報が多くなり、きつくなります。

一つの目安としては、意味の分かるかたまりを捉えたら訳し始める。この意味のかたまりも人によっては短すぎたり、長すぎたり。

自分の型を早いうちに見つけておくことで、案件に集中できるようになっていくと思います。