こんにちは
通訳者の毎日をシェアする通訳者Mのブログです
同時通訳する時に気をつけなければいけない点は諸々ありますが、今日はそのうちの1つだけ。
意味が頭に入ってくる文章を話すこと
同時通訳は聴き取ったそばから違う言語にしていく作業です。
発言を聞き取る
理解する
分析する
翻訳する
発話する
が通訳のプロセスであるとしたら、意味の分からない文章になってしまう原因は
発言を聞き取る←
理解する←
分析する←
翻訳する←
発話する←
そう全てのプロセスで発生する可能性があります。
聞き取れないのはリスニング力不足と背景知識不足
理解出来ないのは背景知識不足
分析出来ないのは背景知識不足
翻訳出来ないのは表現力(ボキャブラリ不足と言ってもいい)不足
そして最後。
発話して意味が分からないって、意味が分からないかもしれませんが、これは結構あります。聞こえた文章を翻訳すれば勝手に意味が通る文章にはならないのです。文脈に照らし合わせた接続詞なり、助動詞、助詞、イントネーション、強弱が必要になります。感情的に通訳するのが良いとは思いませんが、平たく言えば、自動翻訳にかけたような文章を話していても、人間の耳には意味の入ってくる文章には聞こえないということなのです。
人間が聞いて、うん分かる、と思う普通の文章を話さなければいけません。
その為には文脈やスピーカーの声のトーンを感じながら話の方向性を感じながら通訳していくことが求められるんではないか、と思います。
直前まで話を聞いていないで、突然通訳してくださいと言われたら、意味の入ってくる通訳はほぼ無理です。通訳という作業は文脈に依存しているからです。
朝は忙しいからこそ、たまには時間をとって自分を整える時間