通訳者Mのブログ

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無駄を積み上げる

こんにちは

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英語の勉強も大事ですが、あらゆることを知っていることを求められる職業ではあるので、時事を肌感覚で分かっておくところから、現在を作った歴史について、日常のトリビアに至るまで知識を深める、ということは無駄にはならず、確実な投資と言えると思います。

むしろ、必要とされていない時に時間とエネルギーを投資して知識を深めておかないと、いざ必要となってからでは網羅できる量ではないですよね。

 

そしてどうせ、いつ何を訳せと言われるか分からない森羅万象にさらされているこの仕事なのだから、あらゆる方向にアンテナを張っておいても悪いことはないと思うのです。

同時通訳をしていて、突拍子もないことが聞こえてきた時にそれをどう処理するか。同時通訳の合間の0.5秒で、脳が今までの参照知識をザっと見て判断するわけです。そうした時に引き出しが多ければ多いほど良いだろうな、と。

 

イチロー選手がよく仰っていたことで、

無駄なことをしないと前に進めない

というのがありました。通訳準備もほとんど無駄になる覚悟でないと、全力で準備出来ません。無駄にする覚悟だけれども、次誰のところに行って何を通訳するか分からない世界なので、無駄な知識が確実に積みあがります。

それが活きる時が不思議とあるのです。

 

 

 

 

 

最近私の中で強い印象を放った、今さらの一冊。

菊と刀 (光文社古典新訳文庫)

外国人にここまで日本人を語られるとはねえ。日本人を知りたい人は読むべき本です。

恥が日本社会ではとてつもなく大きな存在であることに気づかされると、例えば集まりの席でスーツの襟が立ってしまっている日本人男性に「襟が」と言うべきかどうか考えさせられます。

 菊と刀 (光文社古典新訳文庫)