こんにちは
通訳者の毎日をシェアする通訳者Mのブログです
通訳というのは考えながら話している人の通訳だけでなく、読み上げる原稿を手にした、限られた時間しか与えられていない人の通訳もたくさん発生します。
原稿を持つ人の話し方は、新聞を思い浮かべれば分かるかと思いますが、意味を持つ言葉と言葉の間にすきまがありません。情報が詰まっています。かつ、口語表現文語表現とあるくらいで、文章のキレが違います。それを通訳する時というのはこちらにも一瞬の隙は許されず、自分が訳している言葉のすぐ後に続く単語を少し聞き流すだけで文章全体の意味が怪しくなります。本当に脳の全力を出さないとうまく訳せないという感覚です。スピーカーのテンポに乗れて、ほぼ同時に同時通訳出来ている時は苦しくないですが、(苦しいですがこのテンポに乗れている限り走り続ければいいだけです)、言い直しをしたりすぐ意味が出てこなかったりすると、ハシゴからツルッと足を踏み外した感じになってどこから巻き返せばいいのか分からなくなる。
ということで同時通訳は大変ですが楽しいです。
尊敬する先輩が言ってました。みんな心の中は冷や汗かいてやってるけど、それを口から出すと聞いている人の信頼を得られないもんね、と。本当にその通りだと思います。余裕に聞こえるのは余裕なのではなく、そういうアウトプットをしているだけなのです。
この日はリレー通訳