こんにちは
通訳者の毎日をシェアする通訳者Mのブログです
日英通訳者として上を目指す時、1世界情勢の理解と、2英語力向上と両方の努力が必要になります(もちろん日本語も)。ただ忙しい毎日の中で2を腰据えてやるのはほぼ難しい、というか余裕がないことの方が多いです。
私は2にまでなかなか手が回らないのですが、2の作業はものすごい重要なので忙しいことを言い訳にしていると結局ずっと英語力向上は叶わないことになるので、意図的に時間を作って、やる必要があります。
ただ分からない単語の意味のみを調べて終わりにすると、たぶん1週間後には忘れています。ニュアンスや似ている単語との違いを調べたり例文を複数当たって、自分の中でその単語を説明できるくらいになるまでしておくと、忘れにくいというのが個人的な経験則です。その書いた単語帳をまた見返して勉強して、なんて通訳を仕事にしていたら正直現実的じゃないです。
でもそういう中身の濃い勉強を意図的にやることは意味があるし、蓄積に違いが出てきます。The Economistがなぜ良いかというのは人によって違うでしょうけど、いくつか理由があります。
世界情勢を満遍なく理解することが出来る。満遍なくと言ったのは、その他の新聞や雑誌は比較的アメリカに焦点が当たっていることが多い為です。日本の記事だけ追っていても分かりますが、深く理解した上での分析がされています。それと同じことをその他地域にも、ビジネスにも、サイエンスも、アートもやってくれているのがThe Economistです。
そして使われている単語が格調高いこと。
インプットのレベルとアウトプットのレベルをイコールにすることは人間は不可能で、必ずインプットレベルの方が高い状態にあります。日経が読めても、日経記事のように毎日話すわけではないことからもわかると思います。
通訳者が格調高い単語を使うことには価値がありますが-It's nice to have for sure-それよりもその格調高い単語が使われた時のニュアンスを正しく理解して訳すことが求められる場面の方が多いです。-You must deliver-
通訳者が相手にしなければいけないのは、官民の上層部です。そういう方たちが使う言葉には格調高い単語が混在しています。同時通訳であれば1、2秒後には訳を出さないといけないし、逐次通訳ならモニョモニョごまかす余地はありません。大抵、静まり返った中で大勢の注目を浴びながら訳さないといけないのが逐次通訳です。
こういう時は付け焼き刃ではどうにもならないのでこういう怖い瞬間の為にThe Economistで勉強します。
通訳する対象が生きている世界、レベル感を忘れずにいるにはぴったりの雑誌です。
最初から分かっていたつもりですが、通訳者としての年数を重ねて仕事の重みがある今、肌で感じます。私が駆け出しくらいだったらベネズエラだ、イスラエルだと騒いでいるのはどこか遠い世界の話、という感覚なんだろうなと思います。でも日本が国際社会の一員である以上、この世界で起きていることで関係ないことは一つもありません。ただ地理的に遠いだけです。今晩そういう会議に呼ばれてから目線を上げようと思ってもなかなか間に合うものではありません。自分を戒める意味でも、官民の上層部にならなくても目線くらいは意識していないと良い仕事は出来ないですよね。その人たちの代わりに話すのですから。

長距離フライトは勉強するのに最適です