こんにちは
通訳者の毎日をシェアする通訳者Mのブログです
ニュアンスを的確に伝える、 というのは簡単なことではありません。
基本はスピーカーが話した言葉は訳にみんな反映します。が、ある内容を日本語から英語にした時、文字通りに訳してもそのまま 伝わらないことがままあります。
だから聞いていて感じた言葉で発せられていない部分の雰囲気を、 訳にどうにか反映します。ここが難しい部分です。なぜなら、「 感じた言葉で発せられていない雰囲気」は通訳者の主観で、「 そんなつもりで言っていない」と言われる可能性があるからです。 だからこそ集中する必要があるのです。 なんとなく聞いていても間違えます。
しかも「日本語を聞いていて感じた部分の雰囲気」 を英語の訳にそのままトーンを変化させることなく反映する必要が あります。
ニュアンスを的確に反映する訳をするには色々な力が総合して高くないと出来ないと思います。
#1 スピーカーの発言をすべて拾える理解力。
これに関しては記憶力はほぼ関係ないと言っていいと思います。 この理解力に関しては、下調べや前段階の勉強が全てです。 勉強していれば発言を一連のストーリーとして理解することが出来 ます。 ストーリーとして腹落ちしていれば頑張って覚えようと思わなくて も、覚えていられるものです。
#2 ニュアンスを感じる感性。
感じられるか否かは結構大事だと思います。が、 正直ここは通訳学校で教えてもらえるものでも、 教わっても出来るものではないと思います。 日々他人の発言を聞いて言葉にはなっていない雰囲気を意識したり 、小説で他人の気持ちを推し量ったり、 そういうことがいいかもしれないです。
#3 感じた雰囲気をそのままに英語にする力。
#2が出来ても、 ここが足らないと訳という成果物につながりません。 ただ単に幅広い単語を駆使するというだけでなく、 抑揚や間でもニュアンスを調整することは可能です。ネイティブが話すのを聞いて、 そこから感じるニュアンスを今一度立ち止まって感じる、 面倒くさくてもそういう日々の積み重ねが大事だと思います。 全てが野球= baseballというふうに変換出来ないからです。
#4 プレッシャーに負けない集中力。
#1から3をもっていても実力が出せなければ、 意味がありません。が、経験上#4ができないと#1にも# 2にもアンテナがたたなくなるので、 ニュアンスどころの話ではなくなります。
どれも簡単なことではありません。 特にプレッシャーが強まれば強まるほど#4で苦労して、# 1から#3のどれも100%実力を出すのが厳しくなります。

日本に帰るフライトはいつもホッとします。仕事が終わった安心感もありますが、帰国できる幸せを感じます。普段当たり前にあるものには感謝が薄れるものなんだなぁと出張に行くたびに思います。