通訳者Mのブログ

通訳者の毎日をシェアする通訳ブログです

通訳は普通で地味なお仕事です

こんにちは

通訳者の毎日をシェアする通訳者Mのブログです

 

 

通訳を仕事にしている、というと華やかな感じがして表舞台で活躍し、どちらの言語も完璧で困らない人種のように思われがちですが、そんなことはありません。

 

通訳者も分からない単語はあるし、聞き取れない時なんて日常茶飯事です。華やかとは程遠く、埃まみれの豆電球しかないブースに、前もよく見えないほど汚れた窓越しからスライドを見て、ということは普通にあります。施設にブースがついているクライアントは長年使用しているからそうなってしまうんでしょうが。

せまっ!と叫びたくなる、コロナ対策などどこ吹く風、というブースもあります。快適とは言いがたいブースの中から、高速のスピーチを美しく通訳しないといけないのだから、なんとも言えません。

 

なんでも知ってる、話せる英語屋みたいに思われることもありますが、本番そうなるために単語を口に出しながらノートに書き出して、読み方の分からない外国人の名前にカタカナでふりがなを書いたり、、書き出した単語がすぐ言えるか練習したり。だいぶ、地味です。

 

その地味な用意を重ねて、会場の同時通訳機器を聞いている方々が、そこに座っている逐次通訳を聞く相手が、『分かる、分かる』と思ってもらえている光景を目にする時、ちょっと報われた気がします。ああよかったのかな、と。通訳冥利に尽きるというほど大袈裟なことではないのです。

 

受験勉強の時にやっていたようなことを少しずつやって、相手の言わんとするところを聞き取って相手に分かるように話す。

もちろん簡単なことではありませんが、どの仕事も突き詰めれば困難なことに直面する。通訳者も同じです。通訳者という仕事は、世間で考えられているよりもハードルは高くないと思います。

 

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天王洲アイルはひと昔よく連れてきてもらった思い出深い場所です。今日は仕事で来ました。