ボクシングも通訳も、同じだと思うことがある。
どちらも少しでも後手に回ると苦しくなるということ。
どちらもスピードとコンパクトな動きが求められるということ。
求められるというより、より良いパフォーマンスを出したかったら必要だろうと私は思う。
通訳者であれば、英語をしばらく聞いて初めて言いたいことがわかるようだともう遅い。遅くにピンと来て、訳を始めた頃にはもう次のアイデアをスピーカーは話しているから、追いつくために人間がもともと不可能な、文を作りながら文を聞くという同時作業にしばらく耐えなければいけなくなる。
個人的には聞いている側としてこのスピーカーと通訳者のズレはストレスだと思う。
お客さんの反応を見ているとそう思うし、同時作業を強いられている通訳者もつらいが故に、声にのってしまうから。
だから同時通訳をするときは、早くに理解してスルスル出していく。
このスルスルが大事だと思う。
スピードとコンパクトさについては、また。