こんにちは
通訳者の毎日をシェアする通訳者Mのブログです
スランプっていうのは、一時的に調子が出ないことを言うそうで、私が思うに選手も、通訳者もスランプに陥るのは上手く行っている時に特に深く考えずに自然体でデキてしまっているから。だから上手く行かなくなった時に修正の方法が分からないんですよね、どこが違ったのかが分からないから。
イチローさんの言葉には部活にうちこんでいた高校生の頃から助けられてきましたが、今でも行き詰った時に手に取ります。スランプでもやるべきことを手を抜かずにやり続ける姿勢が大事で、それを続けることでふと気づくことがある、と。
私の中のスランプって通訳が出来なくなることではなくて、イマイチ脳の回転が足りていないのか、英語を話そうとするときにその引き出しが極端に少ない感覚になるときです。その状態は余裕がないし、選べる選択肢が少ないのでイマイチな英語だと思ってもそのイマイチな英語を話すしかなくて。上手く行くときは何も考えなくても次々に必要な単語が口に上がってくる感じなのですが、そこに手間取っていると、次の文章を考えるのが遅くなって、通訳デリバリーのスピードが落ちます。
120キロ出していて90までスピードが落とせる状態と、はじめから90キロしか出せないのでは違いますよね。
でもこういう時に無理やり120出しても脳がついてこないので、スピードを犠牲にして正しい英語を話すことに集中します。このスピードというのはちなみに話す速度だけでなく、滑らかさも含みます。文章のつなぎで、and..と1秒、2秒入れるとだるくなります。必要なことを淀みなく話す。聞いている人の時間を無駄にしない。このスピードを犠牲にするのは痛いですが、調子が上がってくるまで仕方ないす。
この夏は時間が許す時はリプロダクションを朝3分くらいやってます。飽きるのでそれより長くは出来ませんが。30秒くらい聞いて止めて、再現して。「あ、なんて言ってたか忘れたな」と思っても聞いた内容を話します。リプロダクションは最終的に全く同じ文章をリピートすることが大事ですが、最初からそれにこだわると本末転倒です。中身が聞けていれば本来は良いのですから。
通訳もそうですが、忘れた!とかなんだっけ!と思っても、「ウッ」と脳をはじめとする全身のシステムを止めないことがとても大切です。とても大切。
今年の夏は国際線もコロナ前越えかと言われるくらい海外旅行に出かけた方が多いらしく。海外に出ると日本の良さをしみじみ感じますよね。