通訳者Mのブログ

通訳者の毎日をシェアする通訳ブログです

いつかの為の読書

こんにちは

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通訳者になって何が一番悔しいかって、「時間さえあればもっとちゃんと準備出来るのに。」というもの。

なぜ時間がないかというと、案件によっては1年前、数か月前から予定が入るのですが、突然入ってくる案件もあります。突然入るということは、すでにその数日前にはもっと前から入っていた案件があり、皆どれも同様に準備が必要です。

その準備には濃淡があって、どれも全部同じ厚みでしなければいけないものではありません。

①資料をサーっと読んでOKというものから、

②論文や著書を読んでスピーカーを理解しないと務まらなそうな案件、

③word by wordで書き出して多少なりともクイックレスポンスで単語を覚えないと危なそうな案件、

④複雑すぎて背景を理解し、資料を解読するのに膨大な時間がかかる案件、など。

 

ほんの数例に過ぎません。

でも例えば3日後に③④のコンボが入ってきた場合。明日も明後日も終日埋まっている場合、どうするか?(そもそもそんなギリギリの案件を受けなきゃいいのでは?というツッコミは正しいです。が、頼み倒されたり、ヘビーな案件だったりすると、ヨシっ!という変な正義感がどこかからか涌いてきて、受けてしまうのです...自業自得。)

 

で、この前読書脳を読んでいたら励まされました。

要領よく仕事をこなしているデキル奴は、日ごろから読書をして脳内にキッチンスタジアムを構築している。

料理の鉄人という番組で、制限時間内に複数の料理を仕上げて腕を競い合い、鉄人に挑戦するのですが、必要になるであろう食材は何でもスタジオ内(=キッチンスタジアム)に揃っているんですよね。

 

今日も明日もやること山積みなのに、その上、明日の昼までに新たな報告書を完成させよ、と言われても、その時間がないし、あっても必要な情報の収集や知識積みをしないといけない。無理だろう、、と思うところ、

デキル奴は日ごろから読書をして...

ということだそうです。

 

やはり普段から長期目線でアンテナを張って勉強することって大事だと思いました。この本を読んでからさらに読書熱が高まりました。

今日、明日、今週の案件の見通しがついてホッとするのではなく、問題意識というのか好奇心をもって新たな知識を習得し続けることで突然のことに対応できる。

特に通訳者という仕事はあらゆる分野で発生するので、その効果は顕著かもしれないと思いました。

読書脳

fail fast and win fast

こんにちは

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今は毎日フリーランスとして違う類の仕事に出向いていますが、フリーランスになる前は社内通訳をしていました。社員と同様出勤し、社内会議の通訳をするお仕事です。先日引き出しの中から久しぶりに出てきた、退職した時に頂いたポロライド写真集を見て当時のことを久しぶりに思い出しました。

 

社内通訳という仕事はある意味、実験場だから早くつまずいて自分の弱点に早くに向き合った方がいいです。ずっと社内通訳をするなら話は別だけれど、フリーランスになることが視野に入っている場合は特に、早く失敗することは意識した方がいいです。

早くにつまずいて、分からなかったら何度聞いても良い環境が社内通訳ポジションのいいところです。私も頻繁にフィードバックもらうようにしていました。いつクビになるのか怖かったからです。そのくらい通訳に自信が持てなくて、逃げ出したかった毎日。落ち込む時もありました。

冴えない自分を責め続ける時もありました。

でも通訳はある種、スポーツのようなものです。

慣れがとても大事です。

知識やスキルをないがしろにするつもりはありませんが、慣れはとても大事です。つまり今日の明日すぐに解決しない悩みもあるということ。

 

でも慣れてある程度の景色が見えるようになって初めて、「慣れって大事だ」と思うのであって、始めから「慣れるだろう」なんて思えません。当然です。

今日の明日解決しない悩みを抱いて眠りに入るのはよくありません。その不安はどうするか?目の前にある、出来ることを100%やりきることです。100%やれば、すき間は出来ません。

出来ることを100%やっていると必ずなにがしかの結果がついてきます。

周りも見ています。これでチャンスが生まれます。

何よりも不安にならずに済んで、目の前のことに打ち込めて、結果的に成長が加速します。気づいたら6年も経っていました。

 

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有明JCTから都心へ向かうルート。

運転はある意味、無心になれて気分転換になります。

だからこそ、落ち着いて

こんにちは

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フリーランスとして通訳者になって2年くらいでコロナ登場だったので、出張はほとんど経験がありませんでした。

コロナ明けてから国内外問わず入り、通訳者ってこういう職業だったのか?と今さら。

 

出張というとなんだか聞こえがいいかもしれませんが、行く場所によってはそんなこともないです。延々と移動時間がかかることも。なのでPrime Videoと本を必ず持ち歩いて、手持ち無沙汰にならないよう工夫も必要だったり。私の場合は自他認めるコーヒー中毒なので、カフェが近くにないのは耐えられない。。笑 私の場合、エージェントに交渉して、クライアントから少し遠のいても市街地にホテルを取ることも一つの手なのです。

 

出張して何より大事なのは、いつもの精神状態を作り出すこと。

いつもの環境から衣食住の環境が変わることで浮足立って落ち着かなくて、目の前の通訳に集中できないということは避けないといけない。

 

それで、

英語出しの通訳をする時は、内容が難しければ難しいほど、フィラーを我慢する。

といっても普段から意識していないと出来ないことではありますが、ウッとかアーって言ってしまうとそれだけで「通訳大変です」と言っているようなもので、聞いている人にとって精神的負担が大きくなります。キャパオーバーしそうなときほど落ち着いて、無駄な音は出さない。

これは録音することで改善が見込めます。フィラーを出してしまう場合は、無意識のことも多くて、自分が言ってしまっている自覚を持つことが、まずはスタートかもしれないです。

レースアップシューズはきちんと見えて、かつ、がしがし歩けて気に入ってます。

奥はTAKEO KIKUCHIのスーツケース。大きめのタイヤとスッキリしたデザインが気に入ってます。この1年でだいぶ色んなところに付き合ってもらってます。これからもよろしく

緊張はある程度すること

こんにちは

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昔ある先輩が、大変な仕事をこなすと景色が違って見えるって言ってましたが、ヘビーな案件は終わると現実世界に戻ってきた感覚が強いです。あまりに緊張していてあまりに集中していてあまりにも議論に入り込んでいて、終わると『あ帰ってこれた』って感覚です。

 

一度会議って始まると誰が目の前にいて、その周りに何人聞いているかなんて分からなくなります。

 

通訳業していない友人に話すと緊張しないのか、と聞かれることもありますが、きちんと通訳に集中することに必死で緊張している余裕はないというのが正直な感覚です。

 

緊張して困る時はもしかしたら通訳に集中出来てないのかもしれません。そう思うと気が楽になりません?  

 

でもある程度緊張する方が実力を出せます。緊張していないとしたら、リラックスしすぎです。経験したことあるから、よく分かりますが、本番はある程度緊張した方がいいのです。  

 

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秋の空が高くて風が爽やかで、会議でかいた冷や汗を全部持ってってくれる感覚が好きです

just saying..

こんにちは

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ヘビーな案件ほど日が迫ってから入り込んでくる

どこから手をつけるか戦略を通勤中に練ってます

 

正確には、どこから手をつければ最短で効率的に最大限カバー出来るのか考えたら、怖くて動けない通勤中

正直ヘビーな案件は英語力の問題だけじゃなくて、どれだけ知識を積んであるかの方が大きいことの方が多いから

 

大丈夫大丈夫

出来ると思ってやりきるしかない

 

がんばろ

とにかく待たせないこと

こんにちは

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逐次通訳する時に大事なことって色々あるけど、一番はスピーカーが話終わってからお客さまを待たせないことだと思う。

それができるだけで聞いている側のストレスはだいぶ減る。聞いている人がネイティブ並みの人ばかりということも少なくないし、通訳を聞いてもらってる感じになると⚠️危険

 

 

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14時半まで何も食べられないってことは逐次通訳してるとまあまあある

エネルギーレベルが最低値にヒット..目が開かない笑

てことで今からランチ

効率が悪いから頭に残りやすい

こんにちは

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忙しくなってくると、どうやって効率化するかを考えたくなります。出来るだけスムーズに準備して出来るだけ分からないところをつぶして、出来るだけ休養する。

パッと浮かぶのはやっぱりデジタルです。

単語帳をデータにしておけば、あいうえお順に勝手に並んでくれるし、後で見返して追加も出来るし、どこでも見られて便利だし、、と。

通訳者で最近タブレットiPad、PC持たない人を見ないくらい、コロナになってからずいぶんデジタル化しました。

 

でも全部デジタルにしてしまうと、意外と効率が悪いです。

自分の手で書いた単語帳の方が頭に残ります。スプレッドシートで作ると、こんな単語リストアップしたっけ?ということが私には起こります。コピペは効率がいいけれど、まったく頭に残りません。

自分の手で作りこんだ準備ノートや単語帳は、追加の書き込みをどこのスペースにでもいかようにも出来ます。データにしてあると、そのデータを保存してあるアプリを開くまでに時間が必要で、手書きとは違って直感で書き込むということはできません。次のマスか、次の行に書くか、です。

 

準備を効率化することも大事なんですが、本番どれだけreadyでいられるかの方が正直大事です。よく考えたら、アナログは効率的じゃないから頭に残りやすいのかもしれません。だいたい、本番は単語帳を眺めてる余裕はないので、自分の頭にある引き出しからサっと取り出して、さらっとアウトプットできることが一番効率がいいです。

 

効率が悪くても紙で準備することがベストだと今は確信しています。

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スタバのモバイルオーダーに慣れたらもう並べなくなりました

 

 

最初は怖くても

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ドラマや洋画にハマると何が嫌かって、ストーリー展開に気持ちが振り回されたり、登場人物に失望したり、実生活が乱されること。笑

英語をたくさん聞くハメになってるのでそれはプラスなのですが。。

 

さておき、好きこそものの上手なれってよく言いますが、そればかりだと自分の知っている世界でしか成長出来ないんですよね。

 

通訳始めて6年経って今思いますが、何が泳いでいるか分からない水槽に意思に反して突き落とされて必死で泳いでいたら、こなせるようになっていた種類の仕事があります。自分には無理、向いてないって拒絶し続けていたら今頃こんなにやっていないだろうという手のもの。

 

通訳者している限り知らないことは出てきます。知らないことが出てきたらどうしようって思って尻込みしていたら、たたかう土俵が狭くなってしまってもったいない。

 

今の自分には怖いけどやってみたいと思っている仕事がきたら、きちんと準備をした上でダイブすることをお勧めします。

 

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最近ゲリラ豪雨が多い東京

こういう空が帰り道見えるとすーっきり

インプット不足の解消

こんにちは

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最近洋書がガシガシ読めて楽しい

通訳者になる前から洋書って読んでいたつもりですけど、最近集中力がついたのか、慣れてきたのか、左から右への英語の解釈が同時通訳者になって今や常識になったからか、もしくはそれら全てが原因なのか、読むペースが速くなりました

昔は3ページ読めたら、あーもう無理っ

今は通勤往復で数十ページ

 

 

英語を話す力ってまずは、インプット不足をどう解消するか、らしいです。

英語学習の科学によると。ちなみにこの本はおすすめです。近くに第二外国語習得の研究をしている人がいるんですが薦められて読みました。研究結果に基づいて学習することで結局は近道になるから、正しいやり方が何かを知ることも、勉強することそれ自体と同じくらい大事です。

 

インプット不足の解消には、洋雑誌を読んで、ポッドキャストを聞いて、テレビを見て、と色々な方法があって全部ミックスしてやってますが結局読むことが好きなので読書が比重が大きくなります、私の場合。

 

読み続けるコツは、難しすぎる本は読まないこと、ですが、簡単すぎる本を読むのもモチベーションが上がりません。よく紹介されているペンギンリーダーズなど、数冊試してみた大昔。正直、あんまり洋書を読めてる感がない。。薄い易しいペンギンリーダーズ読めても達成感が薄い。。

 

 

一番良いのは自分が興味を持てる内容の本を読むこと。新しい内容を知るための読書じゃなくて、知ってることを再確認するような読書が、洋書の場合いいですよね。英語を読むこと自体が目的だから、内容で考えさせられすぎるとなかなか進まなくて嫌になる可能性があるから。

 

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あと9ページで終了なので寝る前に。

通勤では新しい本に取り掛かり始めました✌️

好きなことはそれだけで力になります。頑張ってThe Economist読むのもいいけど、自分の好きな内容なら何十ページも一日に読める。英語学習という意味では、後者の方がプラス貢献です。

Now I know

こんにちは

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新しい単語や表現を見つけたり、久しぶりに思い出したりするときは、そのたび私もワクワクするんですが、ノートに書いてもすぐ忘れてしまいますよね。

時々見返してテストしてみて「そうだったな」と確認しながら、一方で多読多聴で自然な使い方をマスターするしか、ボキャブ力を上げるやり方はありません。

 

新たな表現を使う時に個人的に気を付けているのは、その表現を口頭で誰かが使ったのを確認して初めて、自分が使うようにしています。わたしたち通訳者は口頭で聞いてパっと分かる表現を使うべきなので、誰も使っているのを聞いたことがない表現は使わない方が無難です。

 

NHKビジネス英会話(という名前だったような)テキストを買って気まぐれに勉強していた10年ほど前。ある表現が目についたんですが、「これは使わないだろ」と思って実際それ以来お目にかかりませんでした。

がつい先日ドラマで使われている場面に遭遇(!) 

「ホントにそう使うのね」と嬉しくなりました。一度でも口頭で使われているのを確認出来ると教科書から切り取ってきたような言葉遣いをしないで済みます。

裏を取る、といったらいいのかもしれないです。

 

 

海外からの帰り、フライトテーブルにTokyo/Hanedaと見えるだけで安心するチキンな私です

独り言で英語モードにスイッチ

こんにちは

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日本で英語を話す機会は、そんなにありません。だからこそ一人でも練習できるリプロダクションや音読、シャドーイングなどをすれば英語を口から出すことになって、アウトプットする機会につながるんですが、、長い休みを取ったりすると英語の’出’が悪くなります。

日本にいる限り日本語で生活が成り立つから、英語で考えなくなるからかもしれないです。夏休みもトレーニングしてましたが、なんだかちょっとずれた感覚だったんですよね。

それが戻ったかなと思ったのは、洋画をまた見始めてからです。さんざん見ていると自分も同じ速さでなんでもないように話せる気がして、気が付くとまた自然に独り言も英語がついて出るようになったり。

 

海外に行って来るとその追い風が強くなります。何しろ日常会話が全て英語だから。

 

追い風になるというだけで、英語で考えるのに海外にわざわざ行く必要はなくて、頭の中の独り言を全部英語に切り替えるだけで、相当英語モードになります。

「あれ、これでいいんだっけ?」

「そろそろ止めた方がいいよなあ」とか、そういう独り言です。

 

効率

 

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日本が見えてくると帰ってきたなあってやっぱりほっとします。そして東京が見えると着陸してなくても心の中で『ただいま〜』って思わず。

 

どこにいてもやることは変わらないです。コロナ時代を経てリモートツールが充実して不自由なく会議が出来ていたから、余計感じるのかもしれないですね。会議が終わってすぐは東京にいる感覚にすらなります。

 

同時通訳でも逐次通訳でも、効率性は大事だと思ってます。同時通訳だったら限られた時間の中で正確に密に情報が取れる通訳だし、逐次通訳なら待たせないで正解な情報が詰まってる通訳を最短時間でお届けする。効率が高ければ同じ時間でもより多くの議論が出来るし、聞き直さないで済みます。多少言い淀んだりは人間だからあってもいいと思いますが、あくまで通訳は同じことを違う言語で繰り返しているだけなので、短く済めばそれに越したことはないし、会議の流れを邪魔しない程度に抑える意識は必要だろうなと思います。

そういう意味では、通訳しにくい文章もあるかもしれないけれど、大変でも大変なことのように通訳しない努力は必要だろうとも思います。

 

 

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ペリエで頭さっぱりした夜

あなたの理想を追いかけて

こんにちは

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みんなちがってみんないい

 

遠い昔に習った金子みすゞのフレーズ

 

 

性格が1人ひとり違うように、

というより性格が1人ひとり違うから、通訳スタイルが違って当たり前なんです

 

自分にない明るさを持ってる友人に励まされるし

自分にない慎重さをもつ兄弟に気付かされるし

自分にないものを呪ったりします

なんで自分はこんなすぐにウジウジするんだろうとか、

なんでこんなに早とちりなんだろう、とか。

 

通訳も同じで、自分にないスタイルの通訳には学びの機会としてありがたく頭を下げればいいし、先輩みたいになれなくても落ち込む必要はないと思う。先輩とあなたは違う人間で、物事に対するアプローチの仕方も違う。通訳もしかり。

通訳って本性を隠して出来る職業じゃないと思う。その人そのものが滲み出てしまうもの。だから、あの人みたいに、ならなくていいわけ。

 

通訳に正解はないとは、こういうこと。

自分が思うベストを目指せば良い。そういう意味では、何も考えずに来る案件をこなすんじゃなくて、哲学を持ってあたった方がいいってことになる。そうじゃないと自分が理想に照らし合わせてどのあたりのパフォーマンスか図りようがない。最近の言葉で言うと、ゲーミフィケーションが大事ということ。

 

 

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朝いちで泳いだ後のフレッシュネスバーガー店内

ハ〜爽やか

私も爽やかにこんな感じで

明日も行こ

 

調子がいまいちでも

こんにちは

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スランプっていうのは、一時的に調子が出ないことを言うそうで、私が思うに選手も、通訳者もスランプに陥るのは上手く行っている時に特に深く考えずに自然体でデキてしまっているから。だから上手く行かなくなった時に修正の方法が分からないんですよね、どこが違ったのかが分からないから。

 

イチローさんの言葉には部活にうちこんでいた高校生の頃から助けられてきましたが、今でも行き詰った時に手に取ります。スランプでもやるべきことを手を抜かずにやり続ける姿勢が大事で、それを続けることでふと気づくことがある、と。

 

 

 

私の中のスランプって通訳が出来なくなることではなくて、イマイチ脳の回転が足りていないのか、英語を話そうとするときにその引き出しが極端に少ない感覚になるときです。その状態は余裕がないし、選べる選択肢が少ないのでイマイチな英語だと思ってもそのイマイチな英語を話すしかなくて。上手く行くときは何も考えなくても次々に必要な単語が口に上がってくる感じなのですが、そこに手間取っていると、次の文章を考えるのが遅くなって、通訳デリバリーのスピードが落ちます。

 

120キロ出していて90までスピードが落とせる状態と、はじめから90キロしか出せないのでは違いますよね。

 

でもこういう時に無理やり120出しても脳がついてこないので、スピードを犠牲にして正しい英語を話すことに集中します。このスピードというのはちなみに話す速度だけでなく、滑らかさも含みます。文章のつなぎで、and..と1秒、2秒入れるとだるくなります。必要なことを淀みなく話す。聞いている人の時間を無駄にしない。このスピードを犠牲にするのは痛いですが、調子が上がってくるまで仕方ないす。

 

 

 

 

 

この夏は時間が許す時はリプロダクションを朝3分くらいやってます。飽きるのでそれより長くは出来ませんが。30秒くらい聞いて止めて、再現して。「あ、なんて言ってたか忘れたな」と思っても聞いた内容を話します。リプロダクションは最終的に全く同じ文章をリピートすることが大事ですが、最初からそれにこだわると本末転倒です。中身が聞けていれば本来は良いのですから。

 

通訳もそうですが、忘れた!とかなんだっけ!と思っても、「ウッ」と脳をはじめとする全身のシステムを止めないことがとても大切です。とても大切。

 

 

 

 

 

今年の夏は国際線もコロナ前越えかと言われるくらい海外旅行に出かけた方が多いらしく。海外に出ると日本の良さをしみじみ感じますよね。